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新ロイヤル大衆舎 『王将 第二部』

第一部では、「将棋と生活」の相克を坂田三吉(福田転球)は生きていたが、第二部では、「将棋と政治」が語られる。政治っていうか、世間の評価だね。それが三吉を引きさらい、持ち上げ、落とし、もみくちゃにする。早手回しに三吉をおだて、「関西名人」と…

新ロイヤル大衆舎 『王将 第一部』

客席数ほぼ90の小さな劇場で、15人の名のある俳優が、出はけに苦労しながらやる芝居って、どんなの?そんな近い所から見る長塚演出の『王将』って、どんなかんじ?と、みんながみんな思い、チケットは即時完売、運のよかった私は初日に行ってきました。 縁台…

新宿「SPACE雑遊」 『やんごとなき二人』

「絵を描く時の心持は、わかっています」。22歳、油絵を二枚描いた中川一政は、こういったそうだ。その二作目の『霜のとける道』(1915)をみると、(わかってんなー。)と思う。青い空、明るく強い日に照らされて影の濃い景色、鮮やかに赤く見える段差のあ…

世田谷パブリックシアター りゅーとぴあプロデュース『エレクトラ』

ほんとうに怒ると、人の怒りは破壊的で、自分をも他人をも滅ぼさずにはおかない。自分の怒りでありながら、制御できず、自意識は怒りに仕える巫女さんのようになってしまう。「いま、怒ってらっしゃいます」みたいな。おてあげだ。自分でも、どうにもならな…

蜷川幸雄一周忌追悼公演 さいたまゴールド・シアター×さいたまネクスト・シアター 『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』

乱れている赤い幕。上手の幕と、下手の幕、合わせ目が疵みたい。日常の亀裂としての非日常が、いま幕を開ける。 それは透きとおる四角いお墓。いくつもいくつも、透明の水槽が整然と並べられ、一つずつに一人、老人たちが横たわり、胎児のように体を丸めてい…

ピーター・バラカンのPing-Pong DJ Special ゲスト:小坂忠

「えっ牧師」 予習ゼロ、晴れ豆の暗い照明でウィキペディアを見てる。牧師って、むかし「キリスト教」って授業を受けて以来、会ったことない人たちだ。牧師さんは詰襟のような黒い服を着ていたな、と思い出す。小坂忠さんは牧師だけど、真っ赤なシャツに黒の…

IHIステージアラウンド東京 ONWARD presents 『劇団新感線 髑髏城の七人 season 花』 

「いい席だねー。」「ほんと、いい席だー。」 私の一列前の人が、ほかの席から様子を見に来た友達に、口々に羨ましがられている。確かに、いい席。天魔王の見る「整った」満月は半分見切れてしまうけど、俳優さんの姿もよく見え、何より、端で劇場が「廻って…

ヒューマントラストシネマ有楽町 『はじまりへの旅』

「学校、行った方がいいよー。」 あーんなに学校大嫌いだったくせに、画面に向かって呟いているのだ。変節?保守化?年のせい? やっぱり今でも学校嫌いだし、叱られた先生のことはなつかしいよりふーんだと思う気持ちの方が強い。だが、いま、年を経て、一…

Bunkamuraシアターコクーン 『フェードル』

「魔法が解けるまではどうすることもできない」とプルーストも言ってた。って、プルーストに聞くまでもなく、恋心という物は、手の施しようがないものだ。ラシーヌの『フェードル』や『アンドロマック』、大好きだ、恋の悩みの真ん中にどっぷり嵌って、「ど…

東京芸術劇場 『ハムレット HAMLET BY William Shakespear Directed BYJohn Caird』

夢。誰の夢か。 この人たちは皆、夢と、夢でないものの間で息をする。それはとても芝居に似ている。 うすく傾いだ四角い舞台。その舞台の下手には本当の観客席が設けられ、上手の、暗い、役者が芝居の進行を見守る席と対峙する。彼らはホレイショー(北村有…

ドーナル・ラニー&アンディ・アーヴァイン Never Ending World Tour 2017

ポーグス、エンヤ、チーフタンズ、アイルランド音楽を飛び石みたいにしか聞いたことがない私でも、ドーナル・ラニーの名前は知っている。 ギリシャのブズーキという楽器(洋ナシを半分に切ってそこへ弦を張ったようなかたちの楽器)を取り入れ、背面がフラッ…

劇団黒テント第76回公演 『亡国のダンサー』

一人の男「わたし」(服部吉次)が大きな机の上に軽く手を触れる。「降りやまない雨、」と彼は言う。倒れている「わたし」を描写する。「わたし」は顔の間近に雨粒の跳ねるのを見ている。雨粒のダンス。浅い傷や深い傷、彼は動くこともできず、失血し続ける。…

新国立劇場中劇場 『近代能楽集より 葵上・卒塔婆小町』

香がたきしめてある。それともこれは花の香りなのか。外気の冷たさにすくみ上っている身体を、ゆっくり緩めてくれるようなショパンが流れている。舞台には赤い幕が襞深くかかり、照明がその幕の上に、桜の花を濃淡二色で浮き出す。背もたれに凭れながら、誰…

かぐらざかあかぎ寄席NEXT→ 落語「三遊亭萬橘」独演会

神楽坂、赤城神社。迷いようがない。地下鉄東西線の神楽坂駅1番出口を上がって左すぐ。立て看板もたってるし、赤い鳥居も見える。石段を上がりきったところに、大きなガラス窓のカフェもあるのだった。カフェから窓越しにもうつぼみを持った桜の木、蛍雪天神…

シス・カンパニー公演 『死の舞踏』

コミック地獄図絵。 途中、いや、序盤、観ながらちょっと怒っているのである。 コミックなのかー。 そんな気持ち。スウェーデンの島にある要塞に、軍人エドガー(池田成志)は妻アリス(神野三鈴)とともに住んでいる。島のお歴々とはうまくやれないため、人…

シス・カンパニー公演 『令嬢ジュリー』

子供の本の作者、リンドグレーン(スウェーデン、1907-2002)が、日本語訳されているたくさんの本の中で、たった一回、性的な関係に言及したことがあって、それは農家の主人と女中に関するものだった。その「おはなし」には作者のかすかな怒りが透けて見え…

東京芸術劇場 シアターイースト 『不信 ―彼女が嘘をつく理由』

マンションの隣の部屋の夫(栗原英雄)はフィックス、その妻(戸田恵子)はドリー、高校教師(段田安則)は手持ち、その妻の編集記者(優香)はクレーン。なんだか登場人物の視点がみんなカメラで説明できそうだ。四人四様の言い分で芝居は進行するが、どの…

ムジカーザ 『第八回 上原落語会 夜の部』

わたし開場から数分おくれた、と思ったら、もうホールはお客さんでいっぱい。寄席っぽい音楽はなしで、ムーディなダニーボーイが流れるのを、みんな静かに聴いている。今日は小学生がいないなあ。ジョン・レノンのジュリアなど、アダルトないい感じの音楽が…

博多座 『二月花形歌舞伎』   (2017)

『雪之丞変化』、さすがの私も題名だけは知ってます。記憶の底から、長谷川一夫の、肉厚な美貌の上に、ふわりと載った紫の野郎帽子が現れる。女形の人が剃った前髪を隠すためにちょっと頭にかぶったら、それが色気があるってことになって代々かぶるようにな…

椿組2017年春公演 『始まりのアンティゴネ』

オイディプスにアンティゴネという娘がいて、その娘が国王クレオンの禁を破って兄の遺体を葬ったことから、アンティゴネは捕えられ、縊れて死んでしまう。しかし、アンティゴネの許婚だったクレオンの息子もその足元で自死し、クレオンの妻も後を追う。悲惨…

渋谷TOHO  『LA LA LAND』

日曜の朝九時。映画館は満員。終映後ロビーに出ると、お母さんに連れられてきた小学女児(低学年)数名が三々五々いる。まわりこんで正面から顔をよぅく見たが、その目は乾いている。小学生は、泣かないんだなー。 逆に言うと、上映館の中は、大人の啜り泣き…

M&Oplays produce 『皆、シンデレラがやりたい。』

価値の転倒。まず、こうした表現が、誰にも潰されずに出てきたことを寿ぎたい。終演後、カーテンコールを待たずに、苦い顔をして出てゆく人(男性)の中に、自分にとっての抑圧の具体像を、「見た。」という感慨に打たれた。 もちろん自分は旧態依然とした体…

アップリンク 『サクロモンテの丘~ロマの洞窟フラメンコ』

スペイン―アンダルシア地方―グラナダ。申し訳ないくらい何のイメージもないが、ネットでグラナダの地図を呼び出すと、そこはアルハンブラ宮殿とフランコに銃殺された詩人ガルシア・ロルカの名を冠する公園のあるところ。 アルハンブラ宮殿か。ここってイスラ…

シアタートラム 『お勢登場』

閉じ込められる。大きな黒い長持の中だ。蓋が開かない、と知ったときの動転、狭い長持の中で何とかして押し開けようとする無駄な努力、家人を気づかせようと上げる大声。そして、段々に息が苦しくなってくる。どういう工夫なのか、長持の中の仰向けになった…

渋谷TOHO  『沈黙 ―サイレンス―』

殉教の浜で、笛吹いて遊んだ。映画見ながら、そんなことを突然思い出して、済まない気持ちでいっぱいになるのである。ごめんなさい。海は青く、そこに浮かぶ島も青く、空も青く、けぶるように全てが青かった。あの島に、宣教師が禁教をかいくぐって戻ってき…

シアターコクーン・オンレパートリー2017+キューブ20th,2017 『陥没』

降る雪や明治は遠くなりにけり と、草田男がうたったのが昭和6年。明治が終わって20年くらい後だね。明治が雪の中に吸い込まれるように消えてゆく。草田男の明治以上に、昭和も随分遠くなったなあ。陥没したように見えなくなる時代を、ケラが振り返る。 そこ…

NODA・MAP第二十一回公演 『足跡姫 時代錯誤冬幽霊 ときあやまってふゆのゆうれい』

芸能。持ち上げられたり落とされたり、毀誉褒貶の激しいジャンルだなと思う。羨ましがられたり、憎まれたり、憧れられたり、蔑まれたり、忙しい。それはみんな、芸能が場を通じて一時(いっとき)顕現し、観る人を圧倒し、そのあと一瞬で消えてしまうからだ…

世田谷パブリックシアター 『幸福な職場 ~ここにはしあわせがつまっている~』

いい話なの。チョークを作っている会社が、養護学校の先生のたっての頼みでしぶしぶ知的障碍者を受け入れ、次第にその出会いで変わってゆく。実話だ。 出てくる俳優はみんなハンサムだし、笑わせる間合いもすごく巧いし、壁にかかった湖かなんかの絵を、へぇ…

Bunkamuraシアターコクーン 『世界』

スナックのミラーボールに、かすかに光。小さい小さい粉雪ほどの光が一つ見える。それは世界に穿った穴みたいだ。 スナックや、ラブホテルや、台所や、下宿、舞台はさまざまな貌を見せながらくるくる回る。早く回る。その頭上に歩道橋があり、寒そうに登場人…

劇団東京乾電池公演 『やってきたゴドー』

『やってきたゴドー』、初演は2007年、戯曲は2010年9月論創社刊。読み終わっての感想は、電信柱とベンチとバス停のある砂の惑星に、ウラジーミルとエストラゴンがいて、そこへ、隕石みたいに「バスを待つ女」や「乳母車の女」や「受付の二人」が、フォルムと…

パルコプロデュース 『キャバレー』

長澤まさみ、美しい。美しくてびっくりだ。自分が美しいとも知らず、無心に咲いてる花のようなのだ。体全体から、本人も予期しないような優美さが漂っている。こないだまで「きりちゃん」で、日本中のツイッターが「きりちゃんよかったむくわれて」と沸き返…

Bunkamuraザ・ミュージアム 『マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル』

フィンランド。人と人とが、3メートルくらいいつも離れて歩いてる。人が少ないのだ。おしゃれなちっちゃいブローチとかつけてても、だあれも気づかないよ。お互い離れてるもん。この距離が、マリメッコを産んだと思ってた。ハーイ、私はここよ。フレンドリー…

地人会新社第6回公演 『豚小屋』

母が心を込めて作ってくれた真っ赤なスリッパと、忠誠を誓わせる鎌と槌の赤い小旗、その間で引き裂かれてしまった脱走兵パーヴェル(北村有起哉)が、豚小屋に41年間隠れ潜む物語。ではないんだな。だって原題が、「豚小屋」じゃないんだもん。「A PLACE WIT…

柿喰う客 『虚仮威』

身体能力が高くて、手足や表現にインテリジェンスがあって、歯切れがいい劇団。思えばそんな劇団、いくつも見てきたのである。観劇の時系列。広げた指先、やすやすと装置をのぼる足、いっせいに撚れる躰、それは観客である私の過去の「若さ」ともつながって…

アップリンク 『淵に立つ』

カッチカッチカッチカッチ 映画館を出ても、メトロノームが追いかけてくる。刻まれた音が自分の歩きとシンクロして、シブヤの外れの舗装道路を、崖に変える。波打ち際に変える。赤い鉄橋に変える。 こわい! こわい映画だったのである、最初の朝ごはんのシー…

ムジカーザ 『第七回 上原落語会 第三部』

あの、代々木上原の駅なかのモールを通り抜けて出る上原銀座の道を、西原の方へ下って、どんつきの坂を上がる。住んでたことあるけど、一度も上がったことのない坂だと断言できる坂の登り口に、「ムジカーザ」はある。はしゃぐ子供が何人も通るクリスマスイ…

シアターコクーン 『シブヤから遠く離れて』

古い洋館。中央の棟に三角の屋根がつき、それがエメラルド・グリーンに見え、氷の宮殿――すきとおっているもの――を考える。上手の外階段を上ると2階の張り出しバルコニーに通じ、円いバルコニーをぐるっと緑の葉を出した鉢植えが囲んでいる。舞台手前に、美…

さいたまスーパーアリーナ 『一万人のゴールド・シアター2016』 

ながいながい食卓(2列に、8つ)。食卓の上には、りんご、のような赤い丸いものが見える。中央に並んだ食卓を挟んで、片側の隅には簡素な白いベッドが5台、5台、4台と置かれ、反対側には黄色、赤、緑、青、ピンクの大きなパネル状のものが床に敷かれている。…

シス・カンパニー公演 『エノケソ一代記』

「本物のニセモノになりたい」 なんだろ、その情熱。たまにネットで、女友達のネックレス、バッグ、服、車、家、夫選びまで真似をして、友人にこわい思いをさせている女の人を見かけるけど、あれだろか。遠浅の海で、平和に遊んでいたのに、突然足を取られ、…

月影番外地その5 『どどめ雪』

縁の下の濃い闇、押入れの濃い闇、透かし見ればそこには、打ち棄てられたピンクの赤ちゃんだるまや、「朝鮮戦争緊急配備」と書かれた古い新聞紙が隠れている。 鶴子(峯村リエ)、幸子(高田聖子)、雪子(内田慈)、妙子(藤田記子)の4姉妹は、古びた日本…

福岡サンパレス 『中村勘九郎中村七之助錦秋特別公演2016』

舞台に楽屋の拵え。あ、これからこの楽屋に役者さんが素で入ってくるのだ。とおもってうれしくてわらっちゃう。いいよね、こういう歌舞伎の解説。中村勘九郎と七之助が司会だ。楽屋のちょうど中央に扇風機が置かれ、上手側に赤の四角い枠、下手に黒の枠が見…

博多座 『十一月花形歌舞伎 石川五右衛門』

緞帳が上がると、三色の定式幕(じょうしきまく)が、ふんわりと風を吸って、風を吐く。生き物のような幕の動きをながめているうちに、いつのまにかそれが静まり、ぴったりと平らになる。するするというには少し重い音がして、はじまるよ!幕が開いた! 真ん…

世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007 『キネマと恋人』

『カイロの紫のバラ』。現実逃避の果ての、ビタースウィートな映画。それをケラが舞台化、トラムでかける。ゼップでボブ・ディランを見るような、ブルーノートでノラ・ジョーンズを見るような贅沢だ。 スクリーン。真ん中に一つ、上手と下手にも小さなスクリ…

Zepp ブルーシアター六本木 『あずみ  戦国編 』

「そば焼き作ってきて。」と女中に頼んでのん気にしてたら、お城の台所の方が火事。思えばそれが落城の日だったのです。という大坂城落城ドキュメントを読んだばかり。今日の『あずみ』はそんな話じゃない、もっと鋭く厳しい。 戦国時代、孤児となった子供た…

てがみ座第13回公演 『燦々』

葛飾応為。画師。北斎の娘。本名お栄だが、父親から「アゴ」って呼ばれてた。小さな人形を作るのが上手で、これがよく売れた。画師に嫁いだが、夫の画のまずさを笑っちゃって、離縁。代表作は『吉原格子先之図』、『夜桜美人図』など、光と影を巧みに描き分…

世田谷パブリックシアター 『遠野物語・奇ッ怪其ノ参』

地勢。たとえば、「明日から刀はなしだってさ」と海辺の町から平野を順繰りに、人々が腹立ちながら後ろの人を振り返り、奥へ奥へと申し送りする。と、不意に険しい山が現れて、もう次に伝える人が誰もいない。憤懣は山に当たって跳ね返り、高まり、とうとう…

ビルボード東京 ヤエル・ナイム

billboardと、ステージ正面に大きく吊り看板が出ていて、見るともなく眺めていると、活字の丸く囲われたところにみな色がついている。最初のbは紫、次のbの丸は赤、oはオレンジ、aは青、dはピンク。 舞台下手にピアノ、ピアノの前にギターが立てかけてあり、…

劇団チョコレートケーキ 第27回公演 『治天ノ君』

万世橋にあった交通博物館で、「お召列車」というのを見たことがある。木のベンチが据えられた殺風景な三等車両が、「こんなもんでいいや」という投げたような質実さだったのも悲しかったが、お召列車の総絹張りや装飾の漆塗りや金細工は、「かならずこんな…

恵比寿ガーデンホール 『Live Magic 2016』

あたり!マスターカードの福引で当たりが出て、ガーデンホールの二階からライヴが観られることになった。マッサージも10分サービスだし、ジュースも無料だ。やったー。くじ運の強さに大喜びしていると、次にあたった女の人が説明を一通り聞いた後、「ほかに…

新国立劇場小劇場 『フリック』

映画館の思い出。満員の映画館で、通路側が一席、ぽかんとあいている。急いで近寄って、「空いてますか?」と尋ねたら、スーツにメガネを光らせた小太りの青年が、「ここは来るんです!」と思いのほか激しい口調で答えた。ふーん。そうなの。私は通路に座っ…