渋谷クラブクアトロ 『FUJI ROCK AFTER PARTY ホットハウスフラワーズ special guest ウェスタン・キャラヴァン』

17年ぶりの来日。家族がよく聴いていて、それで私の分もチケットを取ってくれたわけだが、予習が足りなくてちょっとあおざめているのである。来たことあるって言われても全く覚えのない会場クラブクアトロ、真ん中にマイクが3本立ててあり、その両脇のスタン…

カクシンハンPOCKET08 『冬物語 ~現実と夢幻のデッド・ヒート~』

芝居を予約してチケットが郵送されてきた。チケットだけじゃない。「サイリウム」が入ってる。サイリウム=化学反応で蛍光色を発する器具の通称。psyllium。送られてきたのは片手を広げた長さのスティックであった。突然襲う黒い不安。①わすれる②時ならぬと…

オンワードpresents 新感線☆RS  『メタルマクベス disc 1』

ディストピア。2218年、廃墟と化した世界、そこにランダムスター(橋本さとし)と呼ばれる男がいる。彼はレスポール王(西岡徳馬)の配下、敵を蹴散らして手柄をたてる。バイクで道を急ぐランダムスターとエクスプローラー(橋本じゅん)の前に三人の魔…

帝国劇場 『ナイツ・テイル 騎士物語』

パンフレット2800円、見本を見てから、買うかどうするか決められるようになっている。ストレートプレイだと、宣伝チラシをもらう時キャスト表もくれるけど、そんなのはないんだね。 この『ナイツ・テール』というミュージカルは、シェイクスピアとジョン・フ…

シアタークリエ 『大人のけんかが終わるまで』

ヴィヴァルディがストーンズに割って入る。このヴィヴァルディが、岩からしみだしてるように悲しい。哀切。 愛人ボリス(北村有起哉)の車で素敵な高級レストランに出かけることになったアンドレア(鈴木京香)は、怒っている。「外で吸えよ」とボリスに言わ…

シネ・リーブル池袋 『エンジェルス・イン・アメリカ ~国家的テーマに関するゲイ・ファンタジア~ 《第一部》至福千年紀が近づく《第二部》ペレストロイカ

8時間(休憩こみ)。全く退屈しなかった。緊密なストーリー、笑える台詞、そして、考え抜かれた装置。「部屋」の枠取りにカラーの蛍光色の細い明かりが使われ、それは舞台の高さに比してとても低く見える。部屋は互い違いにまわるように組み合い、全体が奥へ…

東京芸術劇場 プレイハウス 『BOAT』

すだく虫の音。赤い緞帳が閉じられ、暗く襞を見せている。風向計が大きな投光器(上手の流木の間にある)に照らされて黒い影を襞の上に落とし、真ん中に青いボートが、横向きに丸太のコロに乗り上げているのが見える。虫の音だと思っているうち、途中でふと…

ポレポレ東中野 『乱世備忘 僕らの雨傘運動』

香港の普通選挙を求める雨傘運動について、つめたーい気持ちでいるのである。それはかつての若い自分を見ている気分だ。熱くなりやすく善悪の判断がはっきりしていて、しかもそれを口に出し、行動にすぐ移す。おかあさんに行っちゃいけませんと言われたら決…

ギャラリースペースしあん 『おちないリンゴ×さんらん公演 夏しばい』

坪内逍遥の婿さんが、「室内劇」というのに凝っていて、自分の屋敷で芝居をやっていた。というのを思い出す、築六十年の日本家屋での公演。飯塚友一郎(お婿さん)邸よりは狭いんだろうけど、十二畳(?)程の座敷に客席の雛壇が4段くらい組まれ、後ろの大型…

世田谷パブリックシアター 『マクガワン・トリロジー』

なにしてくれてんねん、と関西弁ネイティブのようにつぶやきながら、英語の戯曲をロビーで購入する。英語かい。 『マクガワン・トリロジー』の第一部「狂気のダンス」は本当に暴力的で(ステレオタイプではある)、自分が撃たれるような気がする。やだな。バ…

松竹新喜劇 劇団創立70周年記念公演 『人生双六』『峠の茶屋は大騒ぎ!!』

懐かしい昭和30年代風の、ほんわかしている音楽。たちまち目の裏にホンダのカブやらオート三輪が走り出し、つっかけの、買い物籠を提げた女たちが行きかう。なつかしー。 緞帳に青い明りがあたり、現れた舞台に青く雪が降っている。若い女が二人(前田絵美、…

ナイロン100°C 結成25周年公演第二弾 46th SESSION 『睾丸』

1968年よりあと、たぶん連合赤軍事件より前。知り合いの大学生とテレビを見ていた。大学紛争のニュースである。ヘルメットをかぶった学生が大学構内でシュプレヒコールを繰り返す。 「このとき〇〇ちゃんはなにをしていたの」 「見てた」 見てた。うーん。小…

シアターオーブ 『エビータ』

劇場につくと軍国主義――独裁政治を表わす怖い絵が舞台いっぱいにかかっている。人間の折り重なる塔、下は呻く裸の貧しい人たち、真ん中にサーベルや銃を構えた軍人が描かれ、一番上にはシルクハットの資本家や上流階級の人々がいる。軍人のひとりが塔の中心…

DDD青山クロスシアター 『フリーコミティッド』

上手隅にゆっくり暗くなりまた灯るクリスマスツリー。そこだけがさみしく片付いている。その他はすべてが乱雑に詰め込まれて、なんというか…喧しさを醸し出している。 舞台中央奥に黒板、きゃあきゃあいいながら(と感じる)メモ紙がマグネットでびっしり貼…

二兎社公演42 『ザ・空気ver.2 誰も書いてはならぬ』

最後にニュースを真剣に観たのは、オウム事件の時。あの時オウムの信者がテレビにでて、その「言い分を聞く」体裁の番組が随分あった。オウムは神戸の地震を、「地震兵器の仕業だ」としていたが、スタジオでそのことを追及されると、東大生のかわいい顔をし…

東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『カルメギ』

舞台を両側から挟む客席に向けてアーチが仕立てられていて、その真ん中の橋になったところに字幕が出る。ハングルと日本語。字幕を見上げていた目をそのまま舞台面に落とすと、そこはもう、「層になった」、処置なしの散らかりの乱雑な部屋、ハングルと日本…

さいたまネクスト・シアターゼロ 『ジハード ――Djihad―― 』

始まる前に配られた紙に、登場人物の辿った道の地図がある。 ブリュッセル―イスタンブール。イスタンブール―キリス―アレッポ―ダマスカス。なじみがあるようでないこれらの地名の中で、一つだけ、ぴかっと光って感じられるものがある。シリアのアレッポだ。市…

博多座 『六月博多座大歌舞伎』 (2018)

夜の部の最初は『俊寛』。静かに静かに緑と柿色と黒の定式幕が開くと、そこは一面水色の(浅黄)幕。上手の隅に房を垂らした見台が見える。竹本なんだなー。と、目で確認。隣に三味線。どどどんと太鼓の音、波にも風にも聴こえる。義太夫が鬼界が島であると…

吉祥寺シアター 『日本文学盛衰史』

紙の上に横たわる例えば森鷗外、夏目漱石などの文字が、空気を入れられ、初めはよろよろと、次にはスーツなどを着て、髭を生やして立ち上がる。私が感じ入ったのは「星野(河村竜也)さん」という人物で、この人きっと星野天知なんだけど、学校で習った符牒…

丸の内TOEI  『終わった人』

机の並ぶ広いオフィスの一隅に4,5人の人だかり、一人の男が紙袋を下げ、皆のあいさつを受けている。彼の名は田代荘介(舘ひろし)、今日で定年だ。荘介は別れの挨拶を受けながら、紙袋を持った方の手をあげて、眼鏡の位置を直す。ここ、よかった。無防備で…

シアターコクーン・オンレパートリー2018 『ニンゲン御破算』

「吾胸の底のこゝには 言ひがたき秘密(ひめごと)住めり」っていうの思い出しました。心の底に頭蓋の奥に棲みつく、もう一人の私。 幕末。錦旗を押し立てた官軍と、彰義隊とが相争っている。そこへ割って入るお弁当売りの女お吉(多部未華子)は、官軍に入…

熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ5周年記念 東京喜劇『船上のカナリアは陽気な不協和音~Don't stop singing~』

「お客さんが面白いと思っているあたたかい拍手。テレビの人が出て来て面白いことをやってくれる喜び。」 と、去年の熱海五郎一座第四弾を見て、手控えにそう書いてある。 今年の熱海五郎一座、おっと思いました。贅肉が落ちてる。テレビの過去のネタが極端…

東京芸術劇場 シアターウェスト 『TVUstage2018 家族熱』

ひとまわりしか年の違わない、美しい継母朋子(ミムラ)。その継母を思いながら、今は彼女の出て行った田園調布の家に父と弟と住む医師の息子杉男(溝端淳平)。戻ってきた実母、祖父の死、様々な事件を挟んで、三年後、二人は祖父のお墓でばったり出会う。 …

恵比寿ガーデンシネマ 『29歳問題』

鏡を覗く度、まつげがみんな手を伸ばして、「タスケテ!」と言ってる気がしたあの頃、あの加齢不安、あれ30才くらいだったのかなあ。こういう時、いつも『風と共に去りぬ』の出産に関するスカーレットの言いぐさ、「いい具合に苦痛でぼやけて」っていうの思…

三越劇場 『新派百三十年 六月花形新派公演 黒蜥蜴 全美版』

なぜ突然着替えるの明智(喜多村緑郎)?とか、1ミリも考えない。 芝居が走っているからだ。その速度は、ジャック(市村新吾)の思い切ったツーブロックの髪や、一寸法師(喜多村一郎)の入念な青いメイクや立ち廻り、殴られてそっと鼻血を出す新聞記者郷田…

渋谷HUMAXシネマ 『犬ヶ島』

黒澤明(1910-1998)、『七人の侍』。子供の時に、テレビで初めて見たの。攻めてくる野武士、土砂降りの中の切りあい、三船敏郎の激しく鋭い身のこなし、宮口精二がむかっ腹を立てながら(と後年知った)横っ飛びに吹っ飛ばされる壮絶なシーン、こどもには…

唐組・第61回公演【唐組30周年記念公演第1弾】 『吸血姫』

どんなに遅い番号でも、10番台でないと嫌だったあの頃、最前列で、水やらなんやら浴びたり、突如舞台奥のセットが取り払われ、春や秋の冷たい空気がわっととびこんできて、クレーンだのなんだのでヒロインが飛び去ってしまうのを、握りしめた両手を拍手のた…

M&Oplays produce 『市ヶ尾の坂ーー伝説の虹の三兄弟ーー』』

時計がない家。近代のモダン和建築と、戦後すぐの住宅公庫で建てたような安普請が、ないまぜになってる不思議な家。思いつきのような畳の上のスツールとカウンターもある。しかし、下手手前のポトスの鉢を置いている小テーブルが、しっとりと落ち着いて、あ…

武蔵野スイングホール 『アンッティ・パーラネン』

真珠色の丸い釦が6つ3列、演奏者の左手側についていて、その向って左隣りに、小さな釦がいくつか見える。黒いアコーディオン。小さな釦の左は蛇腹、すこし開いている。開演前、何気なく舞台床面に置かれているのだ。だいじょうぶ?心配じゃない?なんとなく…

イキウメ 『図書館的人生Vol.4襲ってくるもの』

「き、斬れぬ」とかいうのである。頭の上に巨岩を想像して暮らす剣豪に対して。坂本竜馬だったかなあ。 あらゆる人の頭の上に、大きな黒い岩が浮かんでいる。それが落ちてくる。 三話のオムニバス。一話目、認知症になってしまった脳科学者山田不二夫(安井…