2019-09-02から1日間の記事一覧

日本橋TOHO 『引っ越し大名』

マンガっぽい演技、について考える。一瞬で表情が全然変わる、間が重視され大仰になるあれ。ポップでシュールな芝居に適ってる。時代劇って、戦前のものからもう「現代劇」なので、「時代劇に適わない」ってことは言わない。ただこの『引っ越し大名』には、…

東京芸術劇場 シアターイースト DULL-COLORED POP 福島三部作一挙上演 第一部『1961年:夜に昇る太陽』第二部『1986年:メビウスの輪』第三部『2011年:語られたがる言葉たち』 

「いささかの不安があれば、いくら会社の方針とは言え、肉親を失った私は会社には従わない。何も東電しか勤め先のないわけではないから東電を辞めてもいい」 常磐線の中で、福島双葉町の大学生、穂積家の長男孝(内田倭史)と知り合った謎の男(佐伯=阿岐之…

京都芸術センター 地点『三人姉妹』京都公演

「きゃー」、長い長い、新しく張り替えられた瀟洒なローズウッド色の廊下を歩くと、とおーくの床が、思わぬ具合に軋む。ここは「アンティーク」という言葉がぴったりな元小学校だ。ここで今日、地点の芝居を観るのだ。 絶望したように見える白樺が、舞台天井…

赤坂ACTシアター いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』

うっかりしてる間にこんな年になってしまって、ふと頭の中を「明日の月日はないものを」という詞がよぎる。(黒澤も使ってたねー) この新感線の『けむりの軍団』を見ていると、それをひしひしと感じるのだった。いまの「い」という言葉と「ま」という言葉を…

DDD青山クロスシアター 『絢爛とか爛漫とか』

昭和初期、一人住まいの裕福な青年古賀大介(安西慎太郎)の居室で繰り広げられる青春の四季の人間模様。かと思ったらなかなか、そんな甘いもんではなかった。 四人の青年が友人として登場し、それぞれ文学と相渉る。この文学(芸術)の存在が、とても大きく…