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休憩

おはよー直前でごめんねーきょうねー10時45分からいい映画やっているよー。といわれてふらふらと出てきた六本木。観に来たのは『激戦』、知っているのは名前だけ。主体性ないね。でも六本木だから一応いい方の靴はいてきたよ、とぶつぶつ言いながら映画館の方を見ると、

「東京国際映画祭」「東京国際映画祭」「東京国際映画祭」

とポスターが貼ってある。えー。道理で朝から人が多い。

 映画が始まると、雲南省の山が空に迫る景色の中を、一人の若者チー(エディ・ポン)が自転車を走らせながら辺りを見ている。変。周りを見回しながら走ってるのって。一方、香港で出会い頭に車をぶつける中年男ファイ(ニック・チョン)は、事故ってるのに賭博レースの実況に夢中だ。どっちも現実と違和感がある。ファイが借金の取り立て屋に追われて走るシーンがすてき。鍛えた上体がぶれず、加速したまま突っ走っていく。自分を追い越しているように見えた。この後、チーがマカオで総合格闘技大会に出場し賞金を稼ごうとするのを、元ボクシング王者のファイがサポートすることになる。ファイが間借りするアパートの一室には、夫に捨てられ、子供に死なれた母親と、少女(クリスタル・リー)がいる。二人と心を通わすファイ。しかし状況はどんどん悪化してゆき、ついに48歳のファイも賞金のために総合格闘技の試合に出ることを決意する。

 若者を助ける映画にしては、薄味なので、不思議に思っていたら、まさかのファイの参戦。「出ようが出まいが、失うものなんかもう何もない」っていうのが痛切でいい。

 日に十五時間撮影して100発殴られあざだらけになったという格闘シーンはすごいけど、「100発殴られた」「あざだらけになった」のが、たぶん、うつりこんでる。苦痛のシーンだからか、興味が持てないの。映画を語る資格なし。少女とファイがとっても良かった。ニック・チョンね。名前覚えました。