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シネ・リーブル池袋 ナショナルシアターライブ『スカイライト』

 ベッドに横たわる女が、天窓(スカイライト)からぼんやり飛んでゆく鳥を見ている。

 横たわっているのは裏切られた奥さんで、一度も登場しない。けど、その光景はなぜかはっきり見える。

 不倫した実業家トム(ビル・ナイ)は、奥さんが亡くなった一年後、不倫相手だったキーラ(キャリー・マリガン)のもとに現れる。キーラは今、教師をしている。近況を話し合う二人。そして会話は、罪悪感と、信条と、過去の傷口をない交ぜに進む。

 「妻との関係は終わっていた」「愛した人に妻があっただけ」とは口にするものの、二人ともそうだとは思ってないような。それにはセットの力も大きい。壁のない部屋の外、団地の殺風景な窓がいくつもいくつも広がる。それはキーラの団地と平行に建つ。きっとこの建物は何棟も連なり、キーラの部屋を見下ろし、深い海の底のもののように押す。

 罪悪感の中で見つけた信条を、キーラは放さない。才能あるキーラが、荒れる学校で教師をしている事に納得いかないトム。

 こみいったことを言い合いながら、キーラは野菜を刻み、ミンチをパックから出し、缶を開け、鍋に油を注いでパスタとパスタソースを作り上げる。キャリー・マリガンすごい。ぐつぐついう鍋の音の中に、二人の苦しさ、焦りが聴こえてきて、同時に、それと正反対の、どこか遠い、音のない部屋の天窓も見えてくる。

 三人三様みんなうまい。トムの息子エドワード(マシュー・ビアード)が去り際物言いたげにするところがかわいかったなー。あと、手のアップってどうなのかな。あざとい気もした。映画だから、いいの?