すみだトリフォニーホール 『55th Anniversary The Chieftains チーフタンズ来日公演2017』

THE CHIFTAINS 55TH ANNIVERSARY。その題字に続いて、チーフタンズ結成の1962年から、今日までの歴史が、スライドの写真で紹介される。古い写真の中で、笑っているパディ・モローニ、アメリカ初公演、ロイヤルアルバートホール完売(1975)、映画『バリー・リンドン』(同年)、ローマ法王の御前で演奏(1979)、西洋音楽として初めて中国でコンサート(人民服を着て写真に納まっているメンバーたち)、要人との写真、ダイアナ妃、クリントン大統領、カストロ、ギネスの社長、ジョニ・ミッチェル、ボノ、21回グラミーにノミネートされ、6回受賞、アイルランドで切手になり、ヴァン・モリソンストーンズやスティングとCDを作り、日本人では矢野顕子林英哲忌野清志郎と共演している。

 今回のスケジュールも大変。11/23所沢、11/25滋賀、11/26兵庫、11/27愛知、11/30東京、12/2長野、12/3横須賀、12/8八王子、12/9すみだトリフォニーホール

 パディ・モローニ、少し疲れていました。やっぱりコンサートの最初に溜息ついていたけど、ほんとに草臥れていたみたい。

 途中、ちょっとティン・ホイッスルをお休みしてしまった曲があって、低音部のほかの楽器が鈍く響き、残念だった。もう少しスケジュール考えた方がいいと思う。

 オープニングアクトで登場した北欧デンマークのブズーキとフィドルアコーディオンの三人組「ドリーマーズサーカス」、素晴らしくて驚いた。黒ずくめの、眼鏡をかけたブズーキ、金髪のフィドル。和音がまるでバウムクーヘンのように穏やかに整っていて、そこからフィドルが躍り出てくるが、マイルドで、フォークの中にバッハがうまく組み込まれていて違和感がない。エレガントな感じすらした。

 アンコールの「アンドロ」で、前方の席に座っていた中年女性が、立ち上がって正調フォークダンスの振り付け(下で一回、逆向きに上で一回手を回す)を踊っており、習っているんだな、日本の趣味、奥深いなあ、平和でよかったなあと、思わずにいられませんでした。