日経BP (本) 『すいません、ほぼ日の経営。』

 「付箋貼って読書」、アコガレル。「整理整頓」ぽい。「確実」ぽい。ちょっとやってみようと思って付箋買ってきた。そして『すいません、ほぼ日の経営。』読み始める。うーん。付箋役に立たないじゃん。

 それは私が「職」や「経営」と全く関係ない所にいるせいと、また、糸井重里の言葉がゴシック体で浮き上がってくるような、なんていうか、「お」言葉と違っているせいじゃないかな。フレキシブルで素直でよく考えた説明、きれいな武家町をすいすい流れる澄んだ泉の水のよう、金魚も泳げばお茶をたてる水にもなり、臓器に見立てた会社の各部を、繋ぎながらすーんと流れていく。

 糸井重里はこの水が濁るのをさりげなく阻止しようとしている。遅刻した人を非難しないとか社長(糸井重里)に褒められるのは大したことではないとか、それはきっと文句や自慢が働く人の心の「濁り」になっちゃうからだと思うな。自分が嫌いな早起きしてて、遅刻してくる人を見たら、どす黒い墨汁みたいなものが水に混ざっちゃう。「それだとお茶が飲めなくなっちゃうかもしれないな」と遠くから社長は言うのだ。

 自分のことを考えても、「朝来ない人」「仕事を人に割り振ってばかりいる上司」にはイカスミ吐きそうだが、「きれいな水」の為には我慢しないといけないんだと腑に落ちた。採用には「4番バッターばかりとってもダメ」、社会は「支えられる人と支える人で出来ていて、支える時も、支えられるときもある」、そんなの社会科で習っていた筈なのに、自分の体の中の、忘れているクリアな水の水路が、目を覚ましたみたいなのだった。

 お天気屋なんで、わたし会社勤めには向かないと思う。伝奇小説の『大菩薩峠』(アウトロー、変わった人しか出てこない)なら採用される自信あるんだけどなー。