2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

日経BP (本) 『すいません、ほぼ日の経営。』

「付箋貼って読書」、アコガレル。「整理整頓」ぽい。「確実」ぽい。ちょっとやってみようと思って付箋買ってきた。そして『すいません、ほぼ日の経営。』読み始める。うーん。付箋役に立たないじゃん。 それは私が「職」や「経営」と全く関係ない所にいるせ…

赤坂レッドシアター 笑福亭べ瓶独演会『べべコレ東京2018』

クリスマスイヴ。舞台を遮る黒い幕の上に、白く”幻燈“が出てる。雪だるまや雪の結晶、サンタと橇などがかわるがわるしんみり現れて消える。しんみりするのはこっちだよ。クリスマスイヴに一人で落語だよー。と、心で叫ぶ自分を可笑しく思いながら開演を待つ…

マッチポンプ調査室 第八回公演『神家1/2』

愛嬌は世界を救うか。いや、あの、救わない?よくわかんないけど、「マッチポンプ調査室」の作・演出白倉裕二は、愛嬌のある、いい人なのであった。そこに胸を打たれて帰ってきたよ。 孤児で、十年間監禁されていた神家幸子(山口磨美、矢島美音)は、大学に…

国立西洋美術館 『ルーベンス展――バロックの誕生』

「工房を作って安い絵に加筆、大儲けして邸宅を買った碌でもない絵かき」。 …と、まあ、私の中のルーベンスの評価はこのように最低だったわけだけど、田舎なら近場の温泉にも着くほどの時間をかけて、行ってきました。 会場に入るとかなり大きなスクリーンで…

日生劇場 音楽劇『道 La Strada』

ゾーイトロープ。切れ目を入れた黒い筒の内側に、すこしづつ動いている物を描いた絵を丸めて入れ、くるくる黒い筒を回すと、中の絵が動き始める、映画の先祖だ。ホリゾントの黒い雲と白い雲が、透き間に見える青空を、すこし、ほんの少し、気のせいぐらいゆ…

劇団民藝 『グレイクリスマス』

おっ、びりっとしてるね民藝。という今日の『グレイクリスマス』であった。斉藤憐の戯曲が面白く、一人一人の俳優が、登場人物と真剣に渡り合うのが感じられる。 ぱっと見、ここがどこなのかわからない、という装置。上手(かみて)に材を選んだ大きな階段、…

新橋演舞場 『喜劇 有頂天団地』

演じる女の人がみなハンサムで素晴らしい。新島襄が八重さんをハンサムといったハンサムね。きりっとしてる。 昭和50年ごろ、郊外の住宅地に立った六軒の小さな新興住宅。ここへ越してきた主婦たちの近所づきあいの、波立つ悲喜こもごもが語られる。…って、…

PARCO STAGE 『命売ります』

とりあえず、東啓介、いま、きらっきらな時間を過ごしているのだよきみは、と、説教じみたことを言ってみよう。アングラのレジェンドや小劇場の腕利きと、たった今、舞台に立ってる。いいよね。しかも、イカの足的に味わい深い、ずれ続けるノリを表現すると…

新国立劇場小劇場 『スカイライト』(プレビュー)

舞台を挟んで両側に階段状に客席。仕切りを取り去ったアパートの部屋。貧寒としている。右端と左端に上げ下げ窓があり、左端は四角く囲われてキッチンになっている。みすぼらしいダイニングテーブル、ちぐはぐの椅子、こたつと見まがう寝乱れたベッド、へた…

エディット・ピアフ没後55年 『ピアフ』

二幕、化粧前の鏡を囲む電球が、ピアフ(大竹しのぶ)の顔を照らしている。科白はない。けれど、空間は齢を取ってきた女の心で充填され、過不足なく充実している。何も言わない大竹しのぶは終幕では見る見る萎れていく何か美しい儚い夢のように見える。 とこ…

M&Oplays produce  『ロミオとジュリエット』

原作通りなんですよこれ、と、終演後、席を立つ隣の人に言いたい気分。驚くよね。宮藤官九郎はワン・アイデアで二時間のシェイクスピア、それも『ロミオとジュリエット』をねじ伏せる。 にしても何故ロミオは胸板の厚い、短躯・五十代の三宅弘城なんだろう、…

PARCO STAGE  『豊饒の海』 (プレビュー)

三島由紀夫の「ザ・俺」。よくある大河小説のように「自分」のキャラクターを細かく割って大勢の人間をつくりだし、同時代を生きる群像劇に仕上げるんじゃなく、「りんね」の形でキャラクターが桂馬のようにぴょんぴょん跳ねる。繊細で複雑なのさ。 とっても…

Bunkamuraザ・ミュージアム 『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』

トレチャコフ美術館展。どの所蔵品の上にも、パーヴェル・トレチャコフの信条のようなものが、うっすらかかっている。なんだろ、時代思潮ぽいものかなあ。それが絵を皆ロマンティックにしているような気がする。「衒いのない国土への愛」「疑うことを知らな…