2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

劇団民藝 『神と人とのあいだ 第二部 夏・南方のローマンス』

『神と人とのあいだ 第二部 夏・南方のローマンス』1970年。別役実の岸田戯曲賞受賞が1968年と知り、ふーんと思うのである。『夏・南方のローマンス』って、一度も役名で呼び合わないし、派手な服(赤いブラウスにグリーンのフレアスカート)の女(漫才師で…

劇団民藝 『神と人とのあいだ 第一部 審判』

「僕は大体、その時代にやる意味というフレーズは好きになれないんです。作品がよければいつの時代にも通じるものだと信じてるし、作品を時代風潮に捉われずに独立したものとして考えていきたい」(児玉庸策) 「木下作品の現代風な舞台化があってもいいとは…

ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人極 修羅天魔』 

極楽:しょせん歩むは修羅の道だよ! 言い切って歩き出す極楽(天海祐希)に、まるでカメラとして付き随うように、客席がともに動く。カメラは極楽の過去を振り返るのだが、徐々に彼女から離れ、いまの日本ではありえないほど広い曠野を極楽がひとり歩いてい…

日生劇場 『ラ・カージュ・オ・フォール』

昔々、あるところにゲイカップルがいた。片方は働き、片方は主婦になった。最初は対等だったけど、主婦になったほうは段々に「女扱い」され、目下にみられ、軽んじられていく。「女の人は、この扱いを、どうやって耐えているのでしょうか。」って話を思い出…

中洲大洋映画劇場 『北の桜守』

阿部寛。妻てつ(吉永小百合)と子供たち(あんなに頑張っていたのに名前がわからないなんてごめん)と別れるシーンが飛びぬけてよかった。流れ者時代のクリント・イーストウッドみたいだった。撮影の空気を咀嚼し、場を自分のものにしていたと思う。しかし…

椿組2018年春公演 『毒おんな』

(あのひとだあのひとだあのひとだ) 美しい秋野楓(小泉今日子)、薄く黄味がかったアイボリーホワイトの手が、濃い水色のワンピースからのぞき、肩までの髪は揺れ、白い顔が真剣に男たちの方に振り向けられる。しかし、そのはいている靴は、エナメルのウェ…

ビルボードライブ東京 小坂忠「HORO 2018」Special Live

ビルボード東京、カジュアル席。六層になった客席のうち下から四層目。上手(舞台向かって右ね)からステージを真横にみるかたち。舞台の上に青い明りがあたって、客席ときっちり分かれている。客席には段々にお客さんが入り、飲み物を飲んだりご飯を食べた…

蜷川幸雄三回忌追悼公演 埼玉公演 『ムサシ』

あのー、あの、蜷川さん怒るかなあ、まえ(2013)観た時より面白かった。蜷川さんの『ムサシ』は、最上等の布地に、考え抜かれた型紙を置いて、布は無駄が出ないように厳しくカットされ、ダーツ一本にも思想がある感じだったけど、今日の『ムサシ』は、仕立…

こまつ座&世田谷パブリックシアター 『上海ムーン』

読めないなー。開演前、舞台スクリーンいっぱいに映し出された筆跡。じーっとみてるとまず「御頼ミ申シマス」がわかる。それから「喘息」。「早速ミテ下サル様ニト」と、そこまで分かったところで、御頼ミ申シマスの「マ」が乱れて太くなっている、と思う。…

めぐろパーシモンホール 大ホール 『柳家小三治一門会』

迷い込んだことはあったけど、来たことはなかった「めぐろパーシモンホール 大ホール」、『柳家小三治一門会』です。 2月の終りの寒い夜、高齢者が多くて、服装とぜんぜん合わない帽子をかぶっている人を再々見かける。パーシモンホールの吹き抜けの「プラザ…