2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

モダンスイマーズ 句読点三部作連続上演第一弾 『嗚呼いま、だから愛』

ブラインド、冷蔵庫、食器棚、シンク、キッチンカウンター、仕事机(仕事部屋)、ダイニング、和室の座卓、ダブルベッド、長方形に作られたセットの長辺の3列目に座り、目で装置を一つ一つ確認する。どこの家にもあるために、(自分ち?)と思うくらい既視感…

東京芸術劇場 プレイハウス 『酒と涙とジキルとハイド』

人間て不思議だと思わない?なんて、水色と白のバッスル(腰当)つきドレスを着たイヴ(優香)が淡々と語り始める。一番いいところを見せられるのは、緊張しないどうでもいい人で、好きな人にはなぜかそういうところが見せられない、云々。うーんそれは女の…

ヒンドゥー五千回 最終公演 『空観』

「むげんにびぜっしんに」(無眼耳鼻舌身意)、とひとりこそこそお経を唱えると、すごーく遠くへ来たような気分が来る。昔の人も、苦が多かったんだなーと思うのである。全てのものが空(くう)で、確かな実体など何もないんだよ。というところにたどり着い…

TOHOシネマズ日比谷 『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

踏むと弾力を持って靴裏を押し返してくるあたらしいカーペット、3月29日にグランドオープンした日比谷ミッドタウンのTOHOシネマズ日比谷は、映画館にしては4階と高層でなく、ながい通路の大きな窓越しに、日比谷公園のもくもくと盛りあがる新緑の欅の群が見…

DDD青山クロスシアター 『Take Me Out 2018』

「あんな連中が、最前線へ行く。」家を建てるガタイのいい若者たちをみながら、サリンジャーがふと呟いたと、娘のメモワールに書いてあったと思うけど、言うても甲斐ないことながら、この日本版『Take Me Out』は、みんな体が小さい。いながらにして、暴力、…

カクシンハン第12回公演 『ハムレット』

彼岸と此岸。 上手の手前から、下手の奥に向かって、白黒のストライプが続いている。横断歩道、暗い下手奥に道しるべのような、死出の旅の伴をする蝶のような灯、舞台正面の壁は幕が取り払われて裸。下手から二筋の明かり(彼岸からの光)、濃いスモーク。ジ…

日生劇場 『リトル・ナイト・ミュージック』

「天下麻のごとく乱れ」という言葉が、ソンドハイムを聴いていると思い浮かぶ。難しい。乱れてる。その上に浮橋を架けるように旋律が載る。難しすぎて曲の姿がほとんど見えない。 舞台にはウォータン(神さまの)でも現れそうなシンプルな坂、天井から6つの…

東京芸術劇場 シアターウェスト『PHOTOGRAPH51』 

「掃除して!」 「うるせー」 というのが小学校の女子と男子のデフォルトの会話であったとすれば、まじの言い合いになりがちだった自分に比べて、スムーズに事を運んでいる女子を観察してほんとに驚いたものだった。目が全然違う。(怒ってないの、私かわい…

25YEARS ANNIVERSARY NYLON 100℃ 45th Session 『百年の秘密』

僕が月を見ると、月も僕を見る、という子供向けの詩があったように思うんだけど、客席に入って舞台を見ると、おなじような気持ちになるのだった。 屋敷の中に巨大な木。僕が木をみると、木も僕を見る。チェーホフの登場人物は100年後に思いをはせるけど、『…

Bunkamuraオーチャードホール 『マリア・パヘス&シディ・ラルビ・シェルカウィ DUNAS』

手拍子を打つ音、楽器の調子を取る音が、微かに聴こえる。ふつふつと呟くように、幕の後ろでバイオリンが鳴ってる。 煮えていく鍋を考える。ちいさな足拍子が、たたんと響く。 幕が開いた。上手と下手に客席に垂直に薄幕が張られ、それを上手は女性(マリア…

劇団青年座 第231公演 『砂塵のニケ』

青く暗いロゴが目立つオレンジの庇「青年座」。浮かれていた時もあった、めそめそ泣いてたこともある、何十年もいやってほど前を通ったけど、一度も入ったことがない劇場。今日はこの劇場の最終公演。 中は案外こじんまりとしていて、広くない。140席くらい?…