2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

唐組・第61回公演【唐組30周年記念公演第1弾】 『吸血姫』

どんなに遅い番号でも、10番台でないと嫌だったあの頃、最前列で、水やらなんやら浴びたり、突如舞台奥のセットが取り払われ、春や秋の冷たい空気がわっととびこんできて、クレーンだのなんだのでヒロインが飛び去ってしまうのを、握りしめた両手を拍手のた…

M&Oplays produce 『市ヶ尾の坂ーー伝説の虹の三兄弟ーー』』

時計がない家。近代のモダン和建築と、戦後すぐの住宅公庫で建てたような安普請が、ないまぜになってる不思議な家。思いつきのような畳の上のスツールとカウンターもある。しかし、下手手前のポトスの鉢を置いている小テーブルが、しっとりと落ち着いて、あ…

武蔵野スイングホール 『アンッティ・パーラネン』

真珠色の丸い釦が6つ3列、演奏者の左手側についていて、その向って左隣りに、小さな釦がいくつか見える。黒いアコーディオン。小さな釦の左は蛇腹、すこし開いている。開演前、何気なく舞台床面に置かれているのだ。だいじょうぶ?心配じゃない?なんとなく…

イキウメ 『図書館的人生Vol.4襲ってくるもの』

「き、斬れぬ」とかいうのである。頭の上に巨岩を想像して暮らす剣豪に対して。坂本竜馬だったかなあ。 あらゆる人の頭の上に、大きな黒い岩が浮かんでいる。それが落ちてくる。 三話のオムニバス。一話目、認知症になってしまった脳科学者山田不二夫(安井…

新国立劇場中劇場 『ヘンリー五世』

ザ・戦争。戦争のいろんな貌を、2時間50分(休憩20分)でぎゅっと圧縮して見せてくれる。「聖クリスピンの祭日の演説」っていう、戦い前のヘンリー五世の台詞が有名で、ほんとの戦争の前に上演されたりして、愛国心を鼓舞する芝居とも言われているが、鵜山仁…

PARCOプロデュース2018 『ハングマン HANGMEN』

キルケゴールって、教会の庭って意味。 とか、ちょっと言ってみたくなるほど、キルケゴールは遠い。イングランド北部オールダムも遠くパブも遠い。訛りはゆるく皆巧みに演じるが遠い。「いま、ここ」にいない。唯一信じられるのは十五歳の娘シャーリーを演じ…

ブルーノート東京 シルビア・ペレス・クルス

舞台に六つ、椅子が見える。満席のブルーノート。5月11日のNHK「あさイチ」に出ましたと、給仕係が後ろの席のお客さんに話している。 2分前。ひらっとバイオリンの音が一瞬聴こえる。会場が暗くなり、後方左側から、一列になって、ミュージシャンの入場。チ…

さいたまゴールド・シアター番外公演 『ワレワレのモロモロ ゴールド・シアター2018春』

「稽古で一度も台詞を正確に言えたことのない俳優が、本番で台詞を正しく言えるはずがない.そんな実例をぼくは知らない.したがって本日の配役は変更します」2015年4月6日蜷川幸雄、稽古場の蜷川さんの写真を一枚一枚眺めていたら突然、赤ペンで書かれた厳…

ビルボードライブ東京 スクイーズ 2018

めちゃ舞台近っ!今日はカジュアル席平場、ステージ側から順に、縦に4人掛け×2、6人掛け、8人掛けとテーブルが並び、8人掛けの端っこに座りました。席は前方から段々に詰まり、皆ビルボード東京の、招待券プレゼントアンケートに鉛筆で書き込みしている。 …

スーパーエキセントリックガールズ 『華 ~女達よ、散り際までも美しく~』

光琳の流水模様が階段状に大きく客席に迫ってき、金色の大小の水滴のような紙が貼りこまれ豪奢。舞台中央から小さな花弁がはらり、はらりと散り、黒い舞台に張り巡らされた下へ垂れるたくさんの赤いリボンと相俟ってきれい。 しかし私はうすいパンフレット「…