2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
『下町のヘップバーン』 下町で食堂を営む川端ますみ(由紀さおり)が、もと恋人の芸能事務所社長溝口栄次(渡辺正行)と、映画プロデューサー島本孝太郎(篠田三郎)の間で、ちょこっと揺れる話。 篠田三郎は最初に下手から登場して川端食堂の戸をガラガラ…
オペラの曲「ありがとう、愛する友よ」を聴くといつもアンドリュー・ロイド・ウェバーを思い出すし、その逆もある。きれいで、堂々としていて、覚えやすい。あんまり堂々としていて、あんまり覚えやすくて、そこがちょっと恥ずかしい。 2019年『ラブ・ネバー…
子どもの頃、子供向けの芝居をよく見に行っていた私は2つのことをおぼえた。 一、お芝居って正面向いてセリフを言いながら、後ろの人に話しかけることがある。 二、子どもに解りやすくてやさしい芝居は、大体面白くない。 今日の『飛んで孫悟空』、よかった…
代田橋の夜。暗い。寒い。カフェがない。歩道橋が苦手な私は、200メートルくらい逆戻りして横断歩道を渡る。 小さくFisherと名前の出ているモーガン・フィッシャー邸にたどり着いた。近い。グーグルマップ、ありがとう。 キーボード(黒い布がかけてある)の…
ドストエフスキーって、読むたびにびっくりする。「ええー」「そうきたか」私の読んだ本の中では、一番くらいにびっくり度が高い。あと女の人たちの一筋縄でいかなさも一番。びっくりしたい人、ご一読ください。 今日の『罪と罰』はとても優れた芝居だった。…
「フレディがスポーツ用品店に買い物に来たんだって」 「ふーん」 すっかり大人のつもりの二十歳。中二時分のクイーン熱のことは忘れてしまい、フレディ・マーキュリーも日常と地続きの、等身大の存在になっていた。1年や2年で、熱が上がったり冷めきっちゃ…
それなくしては生きがたいのに、その中では生きられない。あたりまえか。水のことだ。指先が円筒の立てられた棺のような水槽の表面にそっと触る。その硬い感触を感じ、彼女が映画が始まってから何に触ってきたか考えてしまう。アイマスクや蛇口、バスタブの…
ラサール石井の一際ぴりっとした喜劇力で、周りが霞む。乾杯しそうでしない1980年代のパーティシーンだ。ラサール石井は特に声を張ったりしないのだが、その「間」は薄い刃物で削いだように鋭い。でも、だあれもこの「間」に追いつけてない。新感線て、笑い…