2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

シアタートラム 木ノ下歌舞伎 『義経千本桜――渡海屋・大物浦――』

歌舞伎役者じゃない人が、「歌舞伎をなぞり、演じている」って、結局、どういうことなのかなー。と考える。歌舞伎の無二の型を、絶対的光明として近づく?正解を求める?そうじゃなかろ。「たったひとつ」を囲む無数のぶれ、幾百幾千の軌跡を追いかけるってこ…

PARCO PRODUCE 2021 『藪原検校』

打ち棄てられた工場、或いは廃屋に工事の赤色灯があって、黄色と黒の安全綱が上手から下手にいく筋か張られる。上と下、内と外、と思いつつ、マスクの下で(うーん)と唸る。まず市川猿之助が、パンフレットで杉原邦生を「君付け」でよんでるところで「ん?…

東京芸術劇場 シアターイースト 劇団チョコレートケーキ 第33回公演『帰還不能点』

ぽん、と舞台に小さくスポットが当たり、芝居が終わる。拍手しながらぶわっと涙がこみ上げているのであった。よかったよ。お疲れさん。とか、私、あまい。この作劇は、あますぎるもん。 昭和25年、日本の敗戦から五年後の夏、一人の男の死を悼み、一団の男た…

本多劇場 悪い芝居vol.27 『今日もしんでるあいしてる』

「アレのせいで旗上げ以来はじめて本公演のない1年を経て」(チラシより)。 ねえ、その1年の間何をしていたの。もちろん生きるために働いたり、ショックだったり辛かったり大変だったりしたのだと思うけど、身体鍛えたり発声練習したり滑舌頑張ったりしなか…

東京芸術劇場 シアターウェスト 『イキウメの金輪町コレクション 丙プログラム(節分祭)』

んー?甲、乙、丙、三つのプログラムで一番落ちるかな。全体が、金輪タウンFMの持田喜美(瀧内公美)の司会する、金輪町節分祭になってるとこはいい。インタビューで「今年の鬼」として人物紹介されるスーパーコタヤ店長桜田文子(松岡依都美)が、『賽の…

東京芸術劇場 シアターウェスト 『イキウメの金輪町コレクション 乙プログラム』

梵字の大きく入った提灯が、小さい屋根のついた柱の下におさまり、おばけ提灯を連想する。「賽銭」と書いた箱と二人の人物が、上手(かみて)に照らし出される。 うさんくさい。笑う。真面目な顔をしている真田(大窪人衛)と古橋(盛隆二)は仏教の「研究」…

Bunkamuraザ・ミュージアム 『写真家ドアノー/音楽/パリ』

パリの心臓のすぐそばに、じめじめした湿っ地があって、その水気の多い泥の中から、ねじれたほそい茎を伸ばして白い花が咲く。――流しのピエレット・ドリオン、パリ1953年2月。 まるで湿気で湾曲したように見えるアコーディオンを肩にかけ、コードを押さえて…

東京芸術劇場 シアターウエスト 『イキウメの金輪町コレクション』甲プログラム

劇場のなかは壺だと、客入れの音楽が言っている。壺の中。壺っぽい、どぉんとくぐもって響く音。下手にカウンターがあり、中央にテーブル、ダイニングチェアが三方向からテーブルに向いている。上手に北欧風のソファ、小さなソファテーブルがついていて、そ…