2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Bunkamuraル・シネマ 『RRR』

うぉー。頭の中の「プラッシーの戦い」とか「ムガール帝国」とか「セポイの反乱」とかのお勉強が、一撃であっさり四方へぶっ飛んでいく。走る!飛ぶ!苦痛!友情!最初、映画館で予告編を観た時、(どうなのかなあこれ)と思ったのだった。予告の中の英国兵…

有楽町朝日ホール イッセー尾形一人芝居 『妄ソー劇場・すぺしゃるvol.4』

会場につくと、イッセー尾形の手になるミニチュアの人形劇場がいくつも展示されている。早めに行った方がいいよ。開場時間も早い。イッセー尾形が作った紙芝居を、実際にこどもたちに見せている映像もある。こどもが茶々をいれるので、ちっとも先へ進まない…

シアタークリエ 『4000マイルズ ~旅立ちの時~』

構造が、わからねー。これ結局何の話だったか、ちゃんと演出されていない。役者に意図が伝わってないし、役者が分かっていたとしても演じきれてない。『4000マイルズ』、青春ビルドゥングスロマンやん。自転車でアメリカを横断中に、強烈な喪失体験をした若…

ユーロスペース 『天上の花』

破綻なくきちっとできてる。歯車がぴったりとかみ合い、するすると物語は進み、惹きこまれる。 詩人三好達治(東出昌大)は、16年思い続けた、師萩原朔太郎の妹慶子(入山法子)と結婚するため、妻子と離別し、海辺の僻村に疎開する。しかし、三好の思う慶子…

WHITE CINE QUINTO 『ミセス・ハリス、パリへ行く』

第二次大戦後、従軍したまま帰還しない行方不明の夫を待ちながら、ミセス・ハリス(エイダ=レスリー・マンヴィル)は家政婦として働く。ある日仕事先でディオールの美しいドレスを見たミセス・ハリスは、お金を貯め、パリのクリスチャン・ディオールへ、オ…

TOHO CINEMAS シャンテ 『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』

「かわいい猫の絵を一生描き続けた男」「愛妻と死に別れたが一生愛していた男」と、なんか、ファンシーでラブリーな映画を想像しちゃうけど、全然違う。これ、「生きるのが下手な男がどうやって世界とコミットしたか」という剛速球映画なのだ。妻(エミリー…

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA 劇団民藝公演 『モデレート・ソプラノ』

目隠し鬼みたいに、芝居が観客の私たちを、どこに連れて行くのか、分からない作り。何をしているのかわからないけど、とりあえず踏み出す人々の群像劇だ、と途中までは思うのだが、目隠しを取ると、意外な場所に立っている。大体人間は、目が見えないみたい…