2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

埼玉県富士見市文化会館キラリ☆ふじみ 『群盗』

群盗=奪う人たち、と、すぐ思ったんだけれど、それでいいかどうかあやふやな気持ち。だってねー、台詞が聴こえなくって、芝居のサイズがみんなちがうんだもん。 モール伯爵(鍛冶直人)の長男カール(小出恵介)は弟フランツ(新里宏太)の奸計に遭い、すべ…

東京建物ブリリアホール モボ・モガ プロデュース ミュージカル・コメディ『恋のすべて』

スウィングしなよ!ミュージカル俳優でない役者がキャスティングされ、それなりに上手くはあるけど決して安定した歌唱ではない歌を歌うのに、何故ミュージカル俳優のようにやらなくちゃと思うのか。へん。この音楽劇で求められているのは、コニーアイランド…

紀伊國屋ホール パルコ・プロデュース 『腹黒弁天町』

「腹黒」弁天町、平成までも長生きする者をはじめ、みんな腹黒なんでしょう。なのに、骨がらみ肚(はら)のわからない芝居をしているのは、芸者小雪の伊勢佳世のみだ。主役の二人、財前涼太(福田悠太)と、山岡大介(辰巳雄大)は、掘り下げが甘い。財前っ…

新橋演舞場 喜劇名作劇場 『恋ぶみ屋一葉 有頂天作家』

上手と下手に貼りまぜの手稿、あるいは手紙のパネルがあり、上手のそれには「男だつたらどんなにかいいだらう」という血を吐くような筆文字が見える。一ミリ、また一ミリと世の中は変わり、すべて「男次第」だった女の境涯も、ほんの少し変わりつつある。面…

紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA 劇団民藝+てがみ座公演『レストラン「ドイツ亭」』

「真面目なお嬢さん、」とヒロインのエーファ(賀来梨夏子)は呼ばれていた。いつもはちょっと残念な長田育恵の真面目さが、この芝居を光らせている。絶滅収容所、選別、ガス室、アウシュヴィッツ裁判という暗い題材が、あまりにも重い虚無の額縁のように人…

本多劇場 第32回下北沢演劇祭参加作品 劇団 東京夜光 『悪魔と永遠』

4年前、下北沢のキャパ100人ほどの劇場で公演を打っていた劇団が、本多劇場(386席)で『悪魔と永遠』の幕を開ける。うーん。すごいね、三段跳びのようだ、しかもスズナリ飛ばしてる、というわけで、リリースする側は自信を持っており、受け取る側は居ずまい…

Bunkamuraシアターコクーン 渋谷・コクーン歌舞伎第十八弾『天日坊』

「振り出し」は、端っこから。細かく割られたコマに土地の絵が入る道中双六が、さっと始まる。「祝」と書かれた小さな舞台と、「まねき」の上がったやや大きめの舞台がまず並ぶのは、「双六ですよ」と教えてくれてるのかも。コクーンの舞台の中に舞台がある…