2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

東京フォーラムホールA 新日本製薬 presents SONGS & FRIENDS 小坂忠 「ほうろう」

開場めっちゃ遅。場内アナウンスが遅れをお詫びするが、WOWOWをウォウウォウとか武部をタケブとか言っちゃって、読めないのか!と、順調に機嫌が悪くなる。2階席のうえの、うえの方に座った時にはすでに7時5分前で、遠い舞台にアルバムと同じ絵柄のオレンジ色…

新国立劇場小劇場 『誰もいない国』

勇気ある。作品に、演出に、俳優に、プロダクション全部が「勇気プロジェクト」だよ。作家の心の芯、作品の奥底、極北へ近づいてゆくじりじりした歩み、ほんとに怖く、すごいなと思った。かかわりあう、そしてかかわりあわない、四人の男。台詞は細かくカッ…

新橋演舞場 十一月新派特別公演 『犬神家の一族』

純情という物はふつう、世に表れない物で、一人で生まれ一人で死ぬ。純情が外に出るのなら、それはうかつだったか、もはや純情でなかったかのどっちかだ。 ここに純情を守れなかった一人の男犬神佐兵衛。彼のすることなすことからいちいちあやつりの糸が垂れ…

上野の森美術館 『フェルメール展』

「俺は空気を描くけん。」 と、デルフトのフェルメールが言ったかどうだか、たぶん言わないけど、ほかの画家たちが挙って「絵」を描く中、フェルメールは見えない「空気」、確かに空間を充たしているのに、とらえられない自由な広がりを画面に定着しようと苦…

赤坂ACTシアター 『笑福亭鶴瓶落語会    (2018)』

裂帛の気合。さっきまでのへなへなの入り太鼓がうそのよう。お囃子の三味線、笛、締太鼓が冴えて聴こえる。三味線の音に艶があり、清搔きが気持ちいい。それぞれが組み合って曲がつづれ織りのようにどっしりしている。手に取れそうな実在感。そしてまるで発…