2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

キャナルシティ劇場 『オデッサ』

そっかー。「愉快」で同時に「愛憎深く」、この矛盾した命題を充たすためには、「推理もの」だよね! しかもただ推理ものじゃつまらないから、警察官カチンスキ―(宮澤エマ)は英語で話す。被疑者コジマ(迫田孝也)と留学生スティーブ日高(柿澤勇人)は鹿…

博多座 二月花形歌舞伎 『江戸宵闇妖鉤爪』『鵜の殿様』 2024  

「あ、ちょちょちょっと待ってて、いま読んでる本佳境だから」と江戸川乱歩『人間豹』の画面の上に出た「着信」の赤と緑の丸に慌てる。いやーおもしろかった人間豹。これ舞台、しかも歌舞伎にしたくなる気持ちわかる。妖しくて怖く、そしてその妖しさと怖さ…

東京建物 Brillia HALL 『舞台 中村仲蔵 ——歌舞伎王国 下剋上異聞——』

「中村仲蔵」。破れた蛇の目傘の水を切る、びゅっという音が聞こえ、その飛沫が見える。傘を握る仲蔵の細くしろい骨ばった手、黒い着物、朱鞘(しゅざや)の刀まで頭の中で順に思い浮かべてから「…かっこいい。」っていう。顔は、そうだ、やっぱり、藤原竜也…

文京シビックホール 大ホール 『坂東玉三郎 ~お話と素踊り~』

文京シビックホールに向かうため、シャーベット状の雪をしゃくしゃく踏んで歩いていると、今日は玉三郎の地歌舞『雪』をやるのに雪が降るとは、なんてあたしは賦がいいんだろとにこにこしてくる。 この地歌舞というのは、狭いところで踊るもので(パンフレッ…