2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧
告白する。『モンティ・パイソン』みたことない。断片しか知らない。何故ならビデオ屋で、いつ行っても、いつみてもずーっと借りられっぱなしだったから。あのころ、あのビデオを借りて借りて、何ならテープが伸びるほど見倒した人々が作った芝居のような気…
名声が、病んでる子供をつかんで振り回す。肩を揺さぶる。つきまとう。 エイミー・ワインハウスは、1983年生まれ、ロンドン北部に育った音楽好きの女の子だった。ドキュメンタリーはまず、友達の14歳の誕生日に、軽い感じで、けれどとってもうまく、ハッピー…
街のうなじ。 街にも人と同じように、自分では見ることができない「うなじ」があって、それはきっと、ジャージー・ボーイズが生まれたような土地、軍人かマフィアかスターになるしかない、忘れられた、半分何かを諦めたような場所だ。 それからもちろん、「…
別役実著『言葉への戦術』による安部公房『友達』講読。いちんち8時間やった。楽しかったなあ。田舎の高校生、そんなに芝居見に行けないもん。 というようなことを思い出しながら、新国立劇場小劇場。舞台に竹。地についてる竹が30本程。中空にういている竹…
手に汗握る。スリラーでも冒険活劇でもないのに、カーテンコールで拍手する私の掌は、湿って音が出ないのだった。 ナチスが政権を握ったベルリン、刑法で同性愛は反自然的なわいせつ行為とみなされ、同性愛者は強制収容所に送られるようになる。荒れた生活が…
『オセロー』、かわいそうで読むの辛。 っていつも思うんだけど、観に来ちゃったなあ。席に着くと、遠く潮騒。大小5個の照明が客席の方を向いている。目がくらんで舞台がよく見えない。まるで嫉妬に取りつかれた人みたい。机がいくつか島のように寄せておい…
焼けて、きれいに炭化した能舞台。何もかもが矩形に区切られ、空には矩形でグレーの雲がかかる。 っていう風に見えるけど、違うのかも。とにかく舞台の前方を囲んで、能のように白い石が敷き詰められている。 この黒く焦げた舞台の上で、男と女、男と男の、…
未来、過去、未来、過去、未来、過去。 ぐるぐるかき混ぜているうちに、過去の自分と未来の自分がごっちゃになる。たとえば18歳と45歳と、ついでに10歳の自分。何が起きるかなあ。まず、「こつこつやる」ってことの価値を巡る、激しい諍いだな。45歳はこつこ…
「今は暗黒舞踏とはいいません。舞踏です」 えっそうなの。って、そこからだ。生まれてこの方、舞踏を観たのは一回きり、今日観た若いダンサーが一人も生まれていないころ(断言)、15の夏休みのことだった。故郷の古い劇場に、暗黒舞踏が来たんだよね。 赤…
「鬼の立ち位置で死ぬとはいい度胸だ」 はっと正気付くとそこはなんだか赤黒い地獄で、地獄の鬼キラーK (長瀬智也)がいい感じにこんなセリフを今死んだ大助にいう。 修学旅行中に不慮の事故で死んでしまった大助(神木隆之介)。そんなに悪いこともしてい…