2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

劇団スーパー・エキセントリック・シアター 第55回本公演 『カジノ・シティをぶっとばせ!!~丁半コマ揃いました~』

いろいろびっくりである。まずキャストの配役表がない。誰が誰だかわからない。1000円を超える立派なパンフレットがついているのに。カジノを日本に作るあれやこれ、その候補地の一つ京都の片田舎、梶高校の同窓会のシーンが、冒頭なのにかなりのりが悪い。…

ヨーロッパ企画第36回公演 『出てこようとしてるトロンプルイユ』

「ウィー」 ジャン(本多力)、ブルーノ(諏訪雅)、アントニオ(石田剛太)が大家(中川晴樹)に返事をするとき、声を合わせてこういうのだが、これがフランス語に聞こえず、すごく可笑しい。 幕開きと同時に伽藍の鐘の音がし、大家はダリ髭を生やした茶髪…

恵比寿ガーデンホール 『Live Magic』 2017

食べ物のブースにお菓子少なめ。というショックをよそに、ホール舞台上に、早やバラカンさんと稲葉智美さんが上がり、ライブマジックのTシャツの説明などしている。トートバッグには「やるのはマジックやり方は音楽」と英語で書いてあり、Tシャツのレコー…

有楽町朝日ホール 『第173回 朝日名人会』

おじいさんのセーターがカシミヤ、おじさんのベストが新品、そんな有楽町朝日ホールである。年配の人が多く、皆楽しみにして来ていることがわかる。 群青色の高座に、うぐいす色の座布団、下手から軽々と春風亭朝太郎が登場した。さっと噺に入る、開口一番て…

東京芸術劇場 『William Shakespeare's Richard Ⅲ リチャード三世』

あら。プレビューだったんだね。 舞台闇。目の奥の方へ、奥の方へ、後退してくるような、抉ってくるような闇。滴るような濃い闇だ。ゆっくり客席が暗くなり、激しいドラムのリズムに揺れる人々が現れる。全員が糊のきいた白いシャツと、黒いパンツを身に着け…

シアターコクーン・オンレパートリー2017 『危険な関係』

中央に引っ張られ、皺を見せ、緊張を見せる左右の黒い幕。誰にも明かさない胸の奥。原作のいろいろのせいで、信賞必罰のはなさか爺さんみたいな話かと思っていたよ。ところがこれは、高度で張りつめた駆け引きと、洗練と退廃の極みの登場人物による、怖くて…

アトリエファンファーレ高円寺 『ウェアハウス~Small Room~』

『動物園物語』をモチーフに、二人の男が殺したり殺されたりの関係になるという芝居を、二十歳縺れの年頃に観た。作は鈴木勝秀だったのかな。殺されたはずの男が、立ち上がってにこやかにしているのが印象的で、そこに私は、演劇の可能性とか感じたりしたの…

浅草見番 三遊亭萬橘定期独演会 『第13回四季の萬会』

その土地の芸妓さんの束ねや調整事務をする見番、その浅草見番の二階の広座敷で、今日は萬橘さんの定期独演会。 畳には一面に白い座布団が敷かれ、畳に座るのがつらい人たちには、10席ほどの椅子席がある。プロセニアムアーチ(?)の向こうが板張りで、高座…

PARCO & CUBE 20th present  『人間風車』

気持ち悪いものが大嫌い、なのはなぜだろうと考えてみる。飛び散る血だのはじける脂肪だのがだめ。それは血も脂肪も全部「わたしの」であるせいだ。いつも被害を受け、いつも痛い。「痛い目にあわされる側」に必ずいる。アクション映画でスカッとしたことも…

さいたまゴールド・シアター第7回公演 『薄い桃色のかたまり』

1ミリのあいだに3本から4本の髪の毛を彫ったという江戸の浮世絵彫師、俳優のセリフ術にはそれに近いものがあると思う。細い線を出すだけでなく、強い線や柔らかい線、下絵通りにそれぞれを削り出していかなければならない。たいへんだよね。 さいたまゴール…