2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
いろいろびっくりである。まずキャストの配役表がない。誰が誰だかわからない。1000円を超える立派なパンフレットがついているのに。カジノを日本に作るあれやこれ、その候補地の一つ京都の片田舎、梶高校の同窓会のシーンが、冒頭なのにかなりのりが悪い。…
「ウィー」 ジャン(本多力)、ブルーノ(諏訪雅)、アントニオ(石田剛太)が大家(中川晴樹)に返事をするとき、声を合わせてこういうのだが、これがフランス語に聞こえず、すごく可笑しい。 幕開きと同時に伽藍の鐘の音がし、大家はダリ髭を生やした茶髪…
食べ物のブースにお菓子少なめ。というショックをよそに、ホール舞台上に、早やバラカンさんと稲葉智美さんが上がり、ライブマジックのTシャツの説明などしている。トートバッグには「やるのはマジックやり方は音楽」と英語で書いてあり、Tシャツのレコー…
おじいさんのセーターがカシミヤ、おじさんのベストが新品、そんな有楽町朝日ホールである。年配の人が多く、皆楽しみにして来ていることがわかる。 群青色の高座に、うぐいす色の座布団、下手から軽々と春風亭朝太郎が登場した。さっと噺に入る、開口一番て…
あら。プレビューだったんだね。 舞台闇。目の奥の方へ、奥の方へ、後退してくるような、抉ってくるような闇。滴るような濃い闇だ。ゆっくり客席が暗くなり、激しいドラムのリズムに揺れる人々が現れる。全員が糊のきいた白いシャツと、黒いパンツを身に着け…
中央に引っ張られ、皺を見せ、緊張を見せる左右の黒い幕。誰にも明かさない胸の奥。原作のいろいろのせいで、信賞必罰のはなさか爺さんみたいな話かと思っていたよ。ところがこれは、高度で張りつめた駆け引きと、洗練と退廃の極みの登場人物による、怖くて…
『動物園物語』をモチーフに、二人の男が殺したり殺されたりの関係になるという芝居を、二十歳縺れの年頃に観た。作は鈴木勝秀だったのかな。殺されたはずの男が、立ち上がってにこやかにしているのが印象的で、そこに私は、演劇の可能性とか感じたりしたの…
その土地の芸妓さんの束ねや調整事務をする見番、その浅草見番の二階の広座敷で、今日は萬橘さんの定期独演会。 畳には一面に白い座布団が敷かれ、畳に座るのがつらい人たちには、10席ほどの椅子席がある。プロセニアムアーチ(?)の向こうが板張りで、高座…
気持ち悪いものが大嫌い、なのはなぜだろうと考えてみる。飛び散る血だのはじける脂肪だのがだめ。それは血も脂肪も全部「わたしの」であるせいだ。いつも被害を受け、いつも痛い。「痛い目にあわされる側」に必ずいる。アクション映画でスカッとしたことも…
1ミリのあいだに3本から4本の髪の毛を彫ったという江戸の浮世絵彫師、俳優のセリフ術にはそれに近いものがあると思う。細い線を出すだけでなく、強い線や柔らかい線、下絵通りにそれぞれを削り出していかなければならない。たいへんだよね。 さいたまゴール…