BARAKAN EVENING vol.3 ピーター・バラカン&鮎川誠

 「マコちゃんQ大にいったんだって」いや、もとい。

 「マコちゃんQ大げなー。」それはもちろん頭がよくて(田舎でQ大にどのくらい威力があるか、都会の人には到底はかり知れないと思う)すごいねっていう意味でもあるが、どっちかっていうと音楽のヒーローの冒険や武勇伝に対して、憧れと敬意をこめてこどもたちが語るって感じが強かった。それは16歳のころのこと。サンハウスもシーナアンドロケッツも聴かないまま、幾星霜の本日だ。

 バラカンさんの紹介で鮎川誠登場。白のパナマ帽にサングラス、白地に赤のTシャツ、黒の上着バラカンさんと並んで座り、たのしそうに、ものすごく詳しく、スペシャティーレコードというレコード会社の話をする。リトル・リチャード、アル・パーマー、ロイド・プライスなど。最初はレコード盤の上でぐるぐる回ってるみたいな気持ち。詳しすぎる二人にガイドされていく。リトル・リチャードを聴いたら少し落ち着いた。なんか、口から魂吐き出してる人なのだった。60年代初頭、鮎川誠は、中学のホームルームの時間に、「ジェニジェニ」を持って行ってかけたんだそうだ。

 今日結成した「鮎川誠トリオ」の演奏が始まった。ベースとギターとドラムスだけなのに、お巡りさんが来ちゃいそうなしっかりした音。「アイム・ア・キングビー」という曲をやり、3曲目で、ギヤ・チェンジした。トップギヤ。「ストップ・ブレーキング・ダウン」。ロックって、ノリだね。バンドのノリが、客に憑くのだ。さっと火が拡がるように、バンドの存在感がライブハウスに充満する。その中を駆け抜けていく鮎川誠の演奏。走りなれてる道をかっ飛ばす。緩いカーブ、厳しいカーブ、段差、知りつくしてる。ジャケットの背中の「SHEENA & THE ROKKETS」のロゴが、まるで背中にくっついているみたいに見えました。

 

      

シーナアンドロケッツのライブが、7月24日の16:30/19:30

代官山 晴れたら空に豆まいて で行われる。すごくいい音のする会場だった。前売り4800円、当日5300円(1ドリンク別)。チケットは、イープラス、あるいは 晴れたら空に豆まいて まで。