アップリンク吉祥寺 『THE FIRST SLAM DUNK』

「スラム」「ダンク」ってなんですか?…そこからです。バスケットのわっかにジャンプしてボールを叩き込むことを言うんですね。ダンクシュート!って呼ばれてるやつですね。この映画の中には、主人公リョータ(声:仲村宗吾)たちの湘北高校と、秋田の山王工業高校の試合まるごと一つがダンクされている。このゲームがとてもスリリングで、アニメーションはよく動き(ボールを持った選手をガードする手、あごの下の二粒の汗が、合流して滴っていく様子、背中を痛めた桜木〈声:木村昴〉の苦痛)、緩急自在で、(?スリーポイントシュート?)(?マッチアップ?)と、全然わからない私でもついてゆける。終盤、映画自体がさなぎから孵ったように速い速度で飛翔し始める。突然、自分の中にもスポーツしている体感が――どこまでも走れると確信できる突き抜けた多幸感のようなものが生まれ、バスケットシューズは床の上で軋り、耳元でガードの荒い息遣いが聞こえる。ものすごい近さでバスケット観た。だけど、かっこよくしようとしているタイトルバックはダサい。二次元の絵がすらすらと白バックに現れ、それが人数を増やし、一列に歩き始めるの、あか抜けない。初めて見る子供は面白いだろうけど、大上段過ぎて、ちょっと古く、大人はなかなか恥ずかしかった。一本の線から生まれる、ってとこが大事じゃない?それが「動く」。

 リョータの過去の記憶と母(声:園崎未恵)との和解、うすいな。母はなぜこんなに色っぽいの?大人になったリョータが思う「母はあの時、まだ若かったのに」という痛切な思いなのか、振り向いてくれない恋人のように描かれる。ソータ(声:梶原岳人)の広げた足越しに見る小さいリョータ、ソータの足が全く動かないのなんかへん。応援席もそろいすぎててダメ。