2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧
ストラヴィンスキーの『兵士の物語』のCDを買ったら、語りの人(ジャン・コクトーだった)がたくさん喋ってて、音楽と半々くらいに聴こえる。ニ回聴くのがやっと。フランス語わからないもん。 今日観た『兵士の物語』は、ダンサーがセリフを喋り、踊る、スピ…
下手に立っている障子は、上半分がちぎられたようにギザギザで、穴が開き、何だか砦の塔のように見える。上手にも破れた障子が二枚、横向きに置いてあり、おんぼろのピアノを隠している。ホリゾントに一筆描きの街の景色、手前に空を飛ぶ障子、かすかに電車…
イプセンの生れた村に、堰の水車があって、その軋む音がイプセンには女の嘆く声に聞こえた。 いま、廃墟のような建物の中にいて、外から聞こえるヘリコプターの旋回音は、何に似ているんだろ。と思う間もなく、なにかが爆発し、廃墟の中の人々が身をすくめる…
「マコちゃんQ大にいったんだって」いや、もとい。 「マコちゃんQ大げなー。」それはもちろん頭がよくて(田舎でQ大にどのくらい威力があるか、都会の人には到底はかり知れないと思う)すごいねっていう意味でもあるが、どっちかっていうと音楽のヒーローの…
川島雄三は、死の予感から逃げてゆく佐平次を、幕末の品川宿から、1957年の品川まで駆け通しに駆けさせようともくろんでいた。それは、過去と現在を結び合わせ、そのどちらもひとしく過去としてフィルムに定着するという、大胆不敵なラストシーンになるはず…
中央に、窓枠みたいなものが吊るされている。その前に花の鉢が置いてあって、枠の向こうにも、対称に同じ花の鉢。上手にドアと本だな、そこには壁がある。壁が切れたあたりにベンチ、クッションが二つ。暗がりを透かし見ると、奥にもベンチがあって、同じク…
「あれっ、歌舞伎?」 チケットを受け取って、ちょっと固まっている。さんざん逡巡して、明け方にえいっと取った一枚だ。あんまりチラシがかっこよくて、つい。16500円。最近、一般の芝居も値上がっているからなあ。そうか。歌舞伎か。と、まだ言いつつ、劇…
とつぜん、着ている服がだぶだぶになって、袖口から指がやっと覗くくらい。或いは、シャツの首回りが見る見る一回り大きくなり、そこから肩先が出そう。急に子供になる自分。 だけどずり落ちてくる袖をまくり、流しを布巾でふきあげたり、洗濯物を畳んだりし…