明治座 『羽世保スウィングボーイズ』

 作・演出:G2 美術:伊藤雅子 照明:高見和義 音楽監督:崎久保吉啓 音響:内藤勝博 衣裳:前田文子  等々、スタッフ名はチラシにきちんと載っていて、企画・製作が博多座で、後援に佐世保市がついていることまで、ぺらっと一枚のチラシ情報でわかるのに、キャスト表を配る親切心もないの?博多座のお客、明治座のお客は、そんなの見ないっていうのー。きゃあきゃあ。怒っているのだった。

 九州の造船所のある町羽世保で、腕利きの溶接技師として働く五代剛(博多華丸)。造船所の和太鼓クラブで活躍し、妻はなく、娘シオリと息子タクミを育てている。造船所が吸収合併されるという一大ピンチに、五代と和太鼓部、そしてタップダンス部の人々は、一丸となって立ちあがるのであった。

 博多華丸は、丁寧に感情を組み立て、流さずお腹に落とすよう注意を払っている。がんばっている。和太鼓もタップも、「そぉっと」やっているのがわかる。どちらも、さっとやってすっとできるようなモノじゃない。この人私のドラフト一位なんだよ。なのに和太鼓とタップやらすの。芝居させてくれぇ。シオリの恋人ミナミハヤトはじめ労働組合天宮良まで、タップは目が覚めるように鮮やかで、太鼓も「どうだ」ってとこが少しあるけどすばらしい。問題は、脚本上で「親子」「妻」「陰謀」「恋模様」「タップ」「太鼓」の繋がりが、むちゃくちゃ強引だってとこだ。最初のシーンでは太鼓と音楽が、互いを打ち消し合ってい、九州弁も必然性がわからん。立てるところと流すところが不分明。「つやつけとう」ヴィヴィッドでない、そこも演出ついとらん。天宮良とナガミネ常務(長谷川初範)の対決シーンはとてもお芝居らしい、でも強引。大空ゆうひ、「おめでとう」の身体中途半端。すごく「おめでとう」?それとも遠慮する?